歴史に学ぶ・第2回「愚者は経験から学ぶ、賢者は歴史に学ぶ」

愚者は経験から学ぶ、賢者は歴史に学ぶ。なんか耳に痛い言葉ですが、この格言はドイツ帝国の鉄血宰相として名高いビスマルクによるものです。たまに愚かな人のことを「経験からすら学ばない」なんて言ったりしますが、大多数は経験から学び、すっげー頭のいい人は歴史から学ぶのかもしれません。

ビスマルクはその手腕で、ドイツ帝国の富国強兵を行い、さらに外交的でも絶妙なバランス感覚で好ポジションを取り続けました。デンマークやフランスとの戦争にも勝利し、当時文明開化を果たそうとしていた大日本帝国もドイツを大いに見習ったわけです。

しかし皇帝が死に、次の皇帝がヴィルヘルム2世になると、皇帝のパワハラによりビスマルクは辞表を提出しました。このヴィルヘルム2世は後に起こった第一次世界大戦に負けて帝国を滅亡させるわけですが、後に彼が「孫子の兵法書」を読んだ際に「これ読んどきゃ負けなかったのに」と後悔したそうです。負け惜しみのようですが、実際そうだったのかもしれません。先人の教えというのは途方も無い価値があるのではないかと、ボロボロになっている今の私も思うからです。

私は大いに失敗しました。しかしすべてが駄目だったわけではありません。ヴィルヘルム2世のようにある局面に立たされた結果だと感じています。

もう私もいい年だし、これからは歴史から学んでみないか、と己に問いかけました。だが歴史から学ぶってどういうことだ、と思い、いろいろ検索してみたわけです。

「歴史から学ぶ最強メソッド」なんていう都合のいい書籍はありませんでした。ただ、ようつべで歴史学の教授が話していた「ifを考えるのが歴史学だ」という言葉にはハッとしました。

その教授が言うには、たとえば徳川家康は江戸に本拠を置いたけど、豊臣家を滅ぼして大阪を手にした時、なぜもっと栄えているそっちに本拠を移さなかったのか? という疑問から、いろんなことが考えられるということでした。

そうやってifを突き詰めていけば、歴史の知識の浅い私でも、浅い歴史からいろいろなことが学べるかもしれません。

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